「はあぁぁ…たまんねぇ〜……
 …極楽が見えらぁ……」


男の場合、
その精嚢から水妖を抜き出して滅するには
封魔術の心得を持った人間の技術が必要である。
つまり、
男が達し、放出するその時まで
多喜みずからの手で導いてやる必要があるのだ。

私的な男性経験こそ重ねていないが、
こうした事態への対処は数多く心得てきた多喜。
その冷静で馴れた手使いに
次々と男たちが、少年たちが精を放っていく。

一回だけでは終わらず、
その日絞り出せるだけのすべてを出しつくすまで
多喜の処置は時折休憩を挟みつつ
朝から宵まで続いていく。



これより先、十日の間は
この処置が繰り返されなければならない。
妖の残滓の最後の一滴が
精嚢より完全に絞り尽くされるまで。
それまでの間、村の女との交ぐわりは
多喜の指示によって禁じられたが
この状況でそれに対して異を唱える男など
いようはずもなかった。


そして十日後、
全てを終えて村を去る時、この美しき闇の狩人は
背を向けながらいつものように眉ひとつ動かさずに
こう言うのだ、

「封魔完了」

と…。